はじめての商圏分析（入門編）
固定客を作ろう
お客様を増やし売り上げを上げるためには、宣伝広告等で新しいお客様を獲得するよりもお店に満足していただいている固定客を増やし、来店の頻度や単価を増やしていただいたり、口コミでお友達のお客様を紹介していただいたりするほうが、新規のお客様を獲得する1／8のコストで済むといわれています。
前回はお客様を一まとめに見るよりも、一人一人のお客様の姿やニーズを知ることの大切さをお話しました。チラシや景品に頼るよりも、カウンターの前に立っただけで好きな銘柄のタバコがすっと出てくるお店の心地よさや安心感はとても大切です。もちろんお客様の好みの品揃えがきちんと揃っていて、価格が妥当で、快適な店構えであることが前提ですが、最後は人が物を売り、人が人をひきつける部分がありますから、そうした視点で固定客作りを考えてみましょう。
<執筆者プロフィール>
藍野 弘一（あいの こういち）
西友、ファミリーマートなどの小売・流通業における店舗開発・店舗企画部門にて、商圏調査や出店戦略を担当。日本国内にとどまらず、台湾・韓国をはじめアジア各国での新規出店を手掛け、各地で売上No.1店舗を開店させ事業を軌道に乗せるなど業態や地域を越えて商圏分析や立地評価に豊富な実務経験を持つ。
日産自動車株式会社において、販売ネットワーク再編成と出店ノウハウ体系化に携わり、2007年に手掛けた次世代新型店舗が全販売店の販売と利益でトップをおさめる。
主な著書として『これから量販店はどう変わるか』『マーケティング実務』などがある。